どのような手術なの?
後鼻神経とは鼻水とクシャミを制御する神経で右側に1本、左側に1本ずつあります。この神経が頭蓋底から出た部分で根幹部から直接に断ち切って症状を緩和させようというのが通称:後鼻神経切断術(正式名称:経鼻腔的翼突管神経切除術)です。
いつ頃から始まったの?
十数年前に超音波凝固装置を用いて後鼻神経を切断する術式が開発されました。重症アレルギー性鼻炎の根治的手術といわれ、それ以外にも数々の手法が開発されました。根幹部を直接切除する術法を日帰り内視鏡手術でおこなうのは、大出血のリスクが高いため当院では行いません。 後鼻神経切断術(根幹部直接切断法)は1週間~10日の入院が安全のために必要だ」〔Wikipedia”後鼻神経切断術”〕というのはリスクマネージメントとして良い提言だと思います。
他の合併症はなに?
また後鼻神経を完全に切断し再接続を不可にする処置は、合併症が起きた場合に元にもどらないという将来的リスクもあります。すなわちアレルゲンに対するアレルギー反応は一般的にはなくならないとされておりますが、例えば加老により花粉症が治ることはよくあるケースです。そうした場合に鼻腔内を湿らすに十分な鼻水がでず、極端に鼻腔内が乾燥してしまう(いわゆるempty nose症候群)は非常に辛い症状です。