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日帰りのための全静脈麻酔法 TIVA

当院の日帰り手術について

日帰り手術とは、入院しないで受ける手術のことです。
術後は入院せず自宅にてゆっくりしたいという患者様の思いと、麻酔の進歩、治療の進歩、内視鏡やナビゲーションシステムやレーザーなどの手術支援機器の目覚ましい進歩に伴い、日本においても広がりつつあります。
当院でおこなう手術は、そのすべての技術を駆使することにより今までは入院が必要だった手術でも日帰りが可能になりました。
当院の麻酔は安全かつ最先端の静脈麻酔にて患者様の恐怖心や疼痛を可能な限り除去しほぼ無意識下で手術することを目標にしております。

安静を要する術後3日間は、24時間対応(電話または院内診察)いたしますので、何か不安な事があっても入院と同等の適切な医療サポートを受けることができます。
当院で受けた鼻・耳の手術については、高額療養費の支給対象となります。
通常は厚生労働省保険診療での3割負担となりますが、事前に高額療養費の手続きをしていただくことにより手術当日の窓口支払いが自己負担限度額までに軽減されます。
事後に申請することも可能ですが、一時負担はしていただきますのでご了承ください。
なお、高額療養費における負担の上限額は年齢や所得によって異なります。

当院の麻酔法 全静脈麻酔 TIVAとは

 一般に耳鼻咽喉科での全身麻酔とは、自発呼吸を完全に止め挿管し、人工呼吸器(機械)により呼吸させる麻酔法を示します。したがって、心臓と肺に多大な負荷をかける(俗に言われるのは数百メートルの全力疾走と同じ負荷)ため、麻酔覚醒後に経過観察のため1泊程度の入院が必要とするのが麻酔学会での見解です。
 当院における全静脈麻酔は広義では全身麻酔の範疇ですが自発呼吸を残すため挿管の必要がありません。全静脈麻酔(total intravenous anesthesia:TIVA)というのは,吸入麻酔を使用せずに麻酔の3要素である鎮静,鎮痛,筋弛緩を,経静脈投与薬剤でコントロールする全身麻酔法です。当院の手術では筋弛緩は必要ないためその薬剤は取り除いた静脈麻酔をTIVA(ティーヴァ)と呼んでいます。
 静脈麻酔薬は濃度が徐々に濃くなるにつれて傾眠⇒意識消失⇒呼吸停止の経過をたどります。そこで意識消失の部分で自発呼吸が充分確保できるよう静脈麻酔液を調整し、手術を受けていただきます。TIVAでは呼吸抑制を助長する筋弛緩剤を使用しないため自発呼吸を完全に残すことができ、心臓と肺に負担をかけず高齢者にも悪影響をおよぼしません。全ての患者様は当日中にご帰宅いただいても麻酔による合併症の心配はほぼありません。またTIVAは吸入麻酔薬やプロポフォール等を使用していないため、重篤な合併症「悪性高熱症」を引き起こさない点でも有利といえるでしょう。
 TIVAで使用する薬剤には鎮痛成分と鎮静成分が含まれているため、静かに眠りながら痛みを感じにくい状態を、約2時間保持することができます。また少しの体動も許されない内視鏡下耳科手術(TEES;transcanal endoscopic ear surgery)ともTIVAは相性がよいです。
 また気になる術後の疼痛ですが術中の無痛が半日程度続きます。通常の全身麻酔は麻痺した呼吸中枢を元に戻さなくてはならないため、短時間で一気に覚醒させる必要があり、患者様はこの時におおきな苦痛(疼痛等)を感じることになります。一方当院の静脈麻酔は、約4~5時間かけてゆっくり覚ましていくため、疼痛が急激に増すようなイベントはなく全身麻酔に比べ安らかな目覚めが可能です。

 玉虫色のTIVAですが短所もあります。

 まず重症無呼吸症の患者さんは傾眠の状態で無呼吸が起こってしまうため、無挿管のTIVAでは使用できません。したがって術前の無呼吸検査により無呼吸がありそうな患者様には意識をある程度残す麻酔法、浅麻酔型の静脈麻酔を選択します。しかし若い方(特にティーンエイジャー)には浅麻酔型の静脈麻酔はあまり鎮静効果がありません。ですので無呼吸のあるティーンエイジャーの患者さんには、先に提携病院にて扁桃腺摘出術等を受けていただき、その後当院でTIVAにて鼻または耳の内視鏡手術を受けることをお勧めしております。
 また、静脈麻酔の効果は老若男女問わず個人差があり、麻酔の効き方が同じ人はほとんどいません。麻酔が効きにくい方も約3%(33人に1人)存在し、その際には追加の麻酔薬を使用するために、酩酊状態が通常より長く続き帰宅可能時間が延びることがあります。過去には術後10時間程度当院のリカバリールーム(病室)にて休んでいただき、午前中手術したのに深夜1時に帰宅したというケースもございました。付き添いの方は歩行可能な状態になるまで個室待合室でお待ちいただくか、ご自宅にて待機していただくケースもございます事ご了承ください。
 また使用する全ての薬剤は肝臓と腎臓で秒単位で分解排泄されていくので、肝機能と腎機能が悪い方はTIVAは使用できません。肝機能改善のため手術2週間目からの禁酒も必ず守って頂く必要があります。

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